マーク・プレンスキー

説明と確認テストが以前ほど機能しなくなってきている最大の理由は、学習者を取り巻く世界が劇的に変わったからである。結果として、学習者たちは自らを受身な空っぽの容器のようには見ず、実践者や創造者として見ている。この変化のスピードが速く、教育は変化に追いっくことができていない。変化の緩やかな時代であっても、そもそも教育というのは変化が遅いものである。しかし今や子どもたちは、親や老人たちの世代を完全に追い抜いて、新しく開かれた世界を生きているという現象が起こっているのだ。 学習者たちは、教室で学ぶ以前に多くの経験をしているのであって、空っぽの容器や白紙の状態で教室に来ることなどあり得ない。企業内研修の場において、教えようとする知識について全く何も知らない学習者がいるということはまず考えられない。そのため、一から何もかも説明すると、誰もがほとんどの時間を退屈して過ごすことになる。